米連邦当局に銀行詐欺罪で訴追されたドジャース大谷翔平(29)の元専属通訳だった水原一平容疑者(39)が12日(日本時間13日)にロサンゼルスの連邦裁判所に出廷し2万5000ドル(約380万円)の保釈金で保釈された。大谷口座から1600万ドル(約24億5000万円)以上の大金を盗み、賭博の借金が差し引き4060万ドル(約62億円)あるはずの水原氏が保釈金の約380万円を工面できたことに「なんで?」と疑念の声もあがっていたが、実際は現金を用意したわけではなく署名保証金という保証金制度を利用した釈放。数多くつけられた保釈条件を違反した場合に支払う金額だという。
大谷との接触禁止とギャンブル依存症の更生プログラム受講
水原容疑者は、手錠はなく足枷をつけられて黒の上下のスーツに白いワイシャツ、ノーネクタイの姿で、日米の報道陣で傍聴席が埋まっていた法廷に姿を現した。午前中に法執行機関に“自首”。身柄を拘束されて法廷へ移動した。ESPNやジ・アスレチックなど複数の米メディアの報道によると、水原容疑者の弁護を務めたマイケル・G・フリードマン氏の要請で足枷が外され審理がスタートしたという。水原容疑者サイドは、罪を認めた上で、検察と司法取引の交渉中のため罪状認否は行われず、保釈審問が行われた。
判事のマリア・A・アウデロ氏は、過去に犯罪歴のない水原容疑者が法執行機関に出頭し、カリフォルニア州中部地区が長年の居住地であることなどを配慮し、数多くの条件を付けた上で2万5000ドル(約380万円)の保釈金で保釈を認めることを決定した。アウデロ氏が事件のいくつかの部分と保釈条件を理解しているのか?と尋ねると水原容疑者「YES」と答えた。
保釈条件はいくつもあった。
薬物検査を受けてパスポートを返納し、カリフォルニア州中部地区の管轄区域内に留まるように命じられた。さらに賭博行為やカジノへの立ち入りを禁じられ、大谷との接触禁止を指示した。またギャンブル依存症を治療するプログラムに参加することと、今後、就職活動を行い仕事を続けるように命じた。
そして支払うべき保釈金は2万5000ドル(約380万円)に設定された。水原容疑者は大谷の銀行口座から1600万ドル(約24億5000万円)以上を盗み、違法なスポーツ賭博への「飽くなき欲求」のための資金調達に充てた銀行詐欺の罪で訴追された。
訴状によると水原容疑者は、2021年から今年の1月にかけて違法なブックメーカーを通じて1万9000回以上の賭けを行い、合計で1億4000万ドル以上(約214億円)は勝ったが、1億8000万ドル(約276億円)以上は負けて違法なブックメーカーを運営しているマシュー・ボウヤー氏に差し引き4060万ドル(約62億円)の借金を作った。よほどお金に困っていたのか、今年に入って転売を目的に大谷の口座から約32万5000ドル(約5000万円)を送金して約1000枚の野球カードも購入している。SNS上では、そういう金欠状態の水原容疑者が、どうやって保釈金の380万円を工面したかも話題になっていたが、ESPNによると、署名保証金という保証金制度を利用し、実際には“ゼロ円”で保釈されていたという。
「水原氏は署名保釈金(保証金)2万5000ドル(約380万円)で釈放された。水原氏は釈放されるために現金を支払ったり、担保を提供する必要がないということだ。保釈条件に違反した場合に2万5000ドル(約380万円)を支払わねばならなくなる」
署名保証金は、個人保証金またはPR保証金とも呼ばれ、保釈金を支払うことなく被告人を拘留から解放できるようにする保釈保証金の一種。現金を支払う代わりに被告は、法的文書に署名し、裁判所が設定した特定の条件を遵守することを約束する。被告が保釈金を用意できない場合や、法廷への出廷を確実にすることを目的とした制度だという。
約10分間の審理中に水原容疑者は「YES」を何度か繰り返しただけだった。
また検察官は「被害者には通知してある」とだけ語り、審理中に「大谷」という名前は一切出なかったという。
保釈後、フリードマン弁護士と水原容疑者がメディアの取材に応じるのではないか?との話もあったが、2人とも法廷の外に用意されたマイクの前に立つことはなかった。
フリードマン弁護士は数時間後に声明という形で進捗状況と水原容疑者の思いを伝えた。
「本日、水原氏は自発的に自首し、初出頭し、政府との合意により保釈されました。彼は法的手続きに協力し続けており、彼が責任を取ることができるように、この事件をできるだけ早く解決するために政府と合意(司法取引)に達することができることを望んでいます」
検査サイドと司法取引の交渉が進んでいることを明かした。
銀行詐欺罪は最大で禁錮30年、もしくは罰金100万ドル(約1億5300万円)、あるいは両方が科せられる重罪。ニューヨークタイムズ紙によると、もし司法取引が成立した場合には、「6年から10年の実刑に軽減される可能性がある」という。
そしてフリードマン弁護士は声明の中にこう記した。
「(水原氏は)大谷氏、ドジャース、メジャーリーグ、そして家族に謝罪したいと願っています。法廷で述べたように、彼はギャンブル依存症の治療を行うことを熱望しています。現時点では、これ以上のコメントはありませんが、法的手続きが進むにつれてさらにコメントをさせていただきます」
水原容疑者は大谷らに直接謝罪することを希望しているという。
5月9日(日本時間10日)に水原容疑者は再び出廷し罪状認否が行われる予定だ。
画像引用元:アフロ
記事引用元:ronspo
そういうことか 納得です。
てっきりバレてクビになった時のために、どこかに逃走用資金でも事前に用意していたのかと思ってた。家を家宅捜査したら、(口座を凍結された場合に備えて)現金入りのダンボールが出てくるんじゃないかと思ってた。
アメリカの保釈金制度ってそういう仕組みだったんだね
これまでマスコミの各社テレビ報道やネットニュースでは「保釈金380万円で保釈された」という説明しか目にしておらず、世論も「そのお金はどこから?」とか「その金を保釈に使わず、大谷選手への返金に使うべき」などという声が散見されたが、実は「署名保証金」という制度を利用したという事を初めて知った。正確な報道よりも裏を取らないままの早くて安直な報道が優先され、広がっていく一つの事実だと思う。
保釈金は本人の資産状況から金額が設定されるものですのでいずれにしても保釈金を支払う資力はあるということでしょう。ただ、記事に記載のある制度がアメリカでは運用されているとすれば、失敗した人や犯罪者の人権に対しても客観合理的で積極的な考え方や価値観に基づいた社会だと思います。
ここ数日、賭博依存の深刻な症状等が取り上げられる事が多くなり、改めてその賭け事への執拗な執着心には常軌を逸した恐ろしいものを感じる 給付金誤振り込みで数千万を一夜にして溶かした男の事件を思い出した。巨額でも厭わず、むしろもっと興奮してテンション高く、賭け行為にでてしまう。そのハードルはネットによる賭場で一層低くなっているという そうした繰り返しで、もう逃れられなくなっていた水原氏。この代償はものすごく巨額だ。この機に依存からはすっぱり脱却して欲しいが、この巨額な数字には、いくら保釈が成り立っても絶望してしまうのではないだろうか……
コメント引用元:yahooニュース
保釈保証金(ほしゃくほしょうきん)とは保釈という形で勾留されている被告人の身柄を釈放する代わりに公判への出頭等を確保するために預けさせる金銭のことである。
日本では刑事訴訟法第93条・第94条で規定されている。
現金での納付が基本であるが、有価証券又は保釈保証書にて代える事もできる。近年では、弁護人は、電子納付(Pay-easy)の方法で保釈保証金を銀行振込をすることが増えている。
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