「下着の色指定はセクハラ…」校則に不安抱く母親【#みんなのギモン】

新年度、期待を胸に新たな学校生活へ一歩を踏み出す入学シーズン。学校といえば、子どもたちの学習や生活上の規律として、独自に定められたルールがあります。“校則”です。

文部科学省によると、校則について定める法令の規定はなく、学校の校長に決める権限があるということです。その校則について、私たちの元に「下着の色が指定されている」と、不安を抱く母親の声が寄せられました。

一般社会ではおかしいと思われるような学校独自のルール、いわゆる“ブラック校則”。その実態を取材しました。
(調査報道班 及川光昭)

■母親「なぜ校則に“下着の色が指定”されているのか」 

中学校の入学説明資料より ※母親提供


私たちの元に、ある保護者からの“ギモン”が寄せられました。

「下着の色の指定はおかしいと思います」

こう話すのは、宮崎県都城市に住む母親です。
まもなく、我が子が中学校に入学するといいます。

しかし、学校から事前に配布された入学説明の資料には、校則について、こう記されていたといいます。

中学生になる子を持つ母親
「『シャツやセーラー服の下に着る下着は、白・黒・紺・グレー・ベージュの単色とする』と書かれていました。なぜ5色なのか理由が分からないです。他人には見えない、プライベートな部分に身にまとう物の色の指定はセクハラだと思いますし、子どもの人権侵害にあたるのではないかと思います」

母親は、“色の指定”は、学校教育にどう関係があるのか疑問に思うといいます。

中学生になる子を持つ母親
「どんな色のものを着ようが個人の自由だと思いますし、子どもの勉強に何も差し支えがないと思います」

さらに、気がかりなことがあるといいます。

中学生になる子を持つ母親
「校則に指定されているということは、もしかしたら検査という名目で確認され、子どもが性被害にあうのではないかという恐怖心があります」

また、校則の一部に、「制服に学校名と名前の刺繍を入れる」とあり、母親は「通学中に、子どもの個人情報が他人に知られてしまう恐れがあると話します。

この中学校では他にも、「前髪は眉をこえない」、「眉毛に手を入れてはいけない」などという校則もあり、疑問だと話します。

■教育委員会「華美にならないものに」

なぜ、校則に下着の色が指定されているのでしょうか?日本テレビの取材に対し、市の教育委員会は。

都城市教育委員会
「学校では、“肌着”のことを“下着”と表現しており、パンツやブラジャーのことではありません。“肌着”に関する校則です」

教育委員会は、この中学校の校則に記された“下着”という表現は、Tシャツや、タンクトップなど“肌着”のことだとしたうえで、“色の指定”については。

都城市教育委員会
「色の指定については、“華美にならないものにしたい”などの視点から、現在の色の指定になっています。どのような色が華美にあたるのかにつきましては、個人の主観であり、時代とともに変わっていくものだと考えております」

かつては、“中学生らしさ”や、清潔感から色は“白に限定”され、生徒への服装検査が行われていた学校もあったといいます。

教育委員会は、「色の指定の必要性がない」と判断し、この中学校では新年度から、校則にあった「色の指定」を廃止することを決めたといいます。

■全国の学校では、今も「下着の検査」や「地毛証明書の提出」も

出典:「Studyplusトレンド研究所」

学校で進められる“校則”の見直し。全国の学校では、どのような校則があるのでしょうか?

2023年に行われた、全国の中高生と高校教員へのアンケート調査によると、校則で最も多いのは、「アルバイトの禁止」、次いで「メイクの禁止」やツーブロックなど「特定の髪型・髪色の禁止」の校則が多いといいます。

さらに、ブラック校則といわれる「地毛証明書の提出」が「ある」と答えたのは高校生で25.5%。また、「下着の色などの指定」が「ある」と答えた中学生は25.3%と、いまだに全国の2割以上の学校にこうした校則が存在しているこということです。

さらに、「下着の色の指定がある」と回答した中高校生の学校では…

香川県内の学校に通う女子中学生
「下着の色を異性の先生がチェックするのはおかしい」

福岡県内の学校に通う女子高校生
「男性の先生がいる前で検査を行う」

いまも下着の検査が行われている学校があるといいます。

■全国62の教育委員会で“校則”見直しに取り組む

「校則見直しに関する自治体状況調査報告書」より 出典:日本大学文理学部 校則見直し検証プロジェクト

根強く残る“ブラック校則”。学校は、どのように取り組んでいるのでしょうか?

学校の教育問題などに詳しい、日本大学文理学部の末冨芳教授が行った調査によると、121の教育委員会のうち、少なくとも62の教育委員会が「校則の見直しに取り組んでいる」ことが分かったといいます。

見直しに取り組む理由として多いのは、「学校の校則が時代に合わないものもあると判断した」や「児童生徒の意見・表明権を尊重すべきと判断したから」というもの。

見直した校則は、性別に関係なくスラックスやスカートを選べる、「制服のジェンダーレス化」や「男子・女子の髪型」など“見た目”の校則が多く、学校によっては、「スマホの使用」や「中学生らしい」など曖昧な表現を見直した学校もあるといいます。

■専門家「理不尽な校則はハラスメント」

調査した日本大学の末冨教授は、下着の色の指定などの校則についてー。

日本大学文理学部 末冨芳教授
「意味のない校則は直ちに撤廃すべきです。2023年4月に、子どもの権利の国内法である『こども基本法』が施行されています。当然のように子どもの権利侵害にあたる校則は直ちになくさなければならないと思います」

また、末冨教授は、「自由を縛る校則は必要最小限で、かつ合理的な理由があるもの」であるべきだと指摘。その理由として、“ブラック校則”は生徒自身がハラスメントをする土壌を生み出しかねないと危惧しています。

日本大学文理学部 末冨芳教授
「理不尽なルールはモラハラです。理不尽なルールを押しつけて “言うがままの生徒を育てたいんですか?”と。逆に、ハラスメントを学校で学んでしまい、理不尽なことを他の人にしてしまう、ハラスメント加害者を生む教育になってしまいます」

では、校則はどうあるべきなのでしょうか。

日本大学文理学部 末冨芳教授
「学校という学ぶ場で、どこまでが合意形成のラインなのか、生徒や保護者が学校側とともに自分たちの手で校則を決めることが重要です」

時代の変化と共に、見直しが求められる学校の校則。末冨教授は、子どもの権利を守った上で、生徒や学校、そして、保護者が納得できる校則を決めることが必要だといいます。

画像引用元:日テレ NEWS NNN

記事引用元:日テレ NEWS NNN

ネットの反応

Aさん
Aさん

1980年代に、中高生でした。私は癖毛のため、度々疑われました。それがトラウマとなり、高校の卒業式年の春休みに、ストレートパーマをかけ、美容室の施術書をもらい、卒業した高校に行きました。卒業証明書を受け取ると、教員から「卒業してから、わざわざ地毛に戻したのか。それなら、在学中に地毛にしておけば、指導されずに済んだのに。」と言われました。そこで、ストレートパーマをかけたことを言い、施術書を見せました。教員は、黙って職員室に戻って行きました。40年近く過ぎた現在も、そのときのことを覚えています。

Bさん
Bさん

校則だから社会に出たらルールを守らなければならないと言うて、理にかなわない校則は子供を束縛してるように感じます。下着なんか目につかないところだしチェックするとか犯罪であり、言語道断なので今すぐ全国の学校で廃止してほしい。教員の性犯罪件数を多くさせている気がします。子供たちの自立とか自主性を教育するならまず校則の根本を変えるべきだと思います。時代の流れにあったルールを定め子供たちが自立した大人になれるように導くべきだと思います

Cさん
Cさん

私が中学のときは、女の先生が下着透けてるのをこっそり教えてあげてました。
知ってる人しかいない校内なら気にならないかもしれないけど、そのまま電車に乗ったり遊びに行ったりしたら、見ず知らずの男性に見られることになってしまいます。
本人にその気がなくても、見せてるって思われてしまうこともあります。
社会人になったら、下着が見えることは非常識と思われます。
色まで指定する必要はないけど、見えないように、見えにくいようにすることを教える必要はあると思います。
まぁでもそれは親が気にするべきことであって、学校が教えることではないけどね。

Dさん
Dさん

中学の時の夏服は白のブラウスだったので、下着が透けてました。
当時は気にならなかったけど、思春期の男子の目もあるしあれは良くないですよね。
今思うと、下着の色指定じゃなくて黒とか紺とか透けない色のブラウスにすればいいのにと思います。

コメント引用元:yahooニュース

校則

校則(こうそく)とは、学校内部における規則のうち、特に在学生自身に関わる定めのことである。児童規則(じどうきそく)、生徒規則(せいときそく)、学生規則(がくせいきそく)などともいう。校則を定めるかどうかは学則などとは異なり各学校の事情に委ねられ形式や効力は各学校によって異なっている。また、教師の裁量や校長の指針によっても異なる。

このように各学校によって校則が異なるため、教育委員会が細かな校則を把握できていない。そのため、日本の一部の学校においては、学業や人格形成の観点から本来必要のないルール(頭髪・服装規定といった「身だしなみ」に関するものなど)が存在している。このようなルールは生徒に「遵法意識の低下」や「規則全般へのアレルギー」をもたらす場合があり、かえって人格形成が妨げられる要因となっている。

2022年度より、東京都では不適切な校則や指導の見直しを行っており、教育環境の改善が期待されている。しかし、私立中高が数多く存在する東京都においては、都立高校を対象とした校則見直しの効果は限定的となっており、根本的な解決には至っていない。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

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