北海道・礼文沖領空侵犯1カ月 ロシア、事実認めず平行線 関係悪化

領空侵犯したロシア軍機の動き
領空侵犯したロシア軍機の動き
北海道新聞

 北海道礼文島付近でのロシア軍機の領空侵犯から23日で1カ月。ロシア側は侵犯自体を認めず、再発防止などを求める日本側と平行線が続く。過去に同様の事案が発生した際は、日ロ両国の協議の末、ロシア側が侵犯を認めたこともあったが、ロシアのウクライナ侵攻を受けた関係悪化で対話の行方は見えない。

 「主権の重大な侵害で、全く受け入れられるものではない」。青木一彦官房副長官は22日の記者会見で、ロシア軍機の領空侵犯を非難する一方、原因究明などに向けロシア側と協議するかについては回答を避けた。

 防衛省によると、領空侵犯は9月23日に3回発生。航空自衛隊の戦闘機が緊急発進し、熱と閃光(せんこう)を放つ装置「フレア」を初めて放射した。政府は同日、外交ルートを通じてロシア側に厳重に抗議。自衛隊幹部は「ロシア機は計10回ほど領空への接近を繰り返していた。意図的だ」とみる。

 だが、ロシア外務省のザハロワ情報局長は侵犯を認めず、「抗議の内容が正確だと確認できる情報がない」と主張。防衛当局間などを念頭に、日ロ間での協議が必要との認識を示した。

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