ノービザで済州(チェジュ)から韓国に入国して不法滞在する外国人が再び増加していることが明らかになった。
23日、法務部によると、済州地域ノービザ入国不法滞在者は今年6月末現在で1万1191人に達する。昨年1万826人に比べて3.4%(365人)増加した。コロナ禍の余波で不法滞在者が減った2022年8569人に比べて30.6%(2622人)も増えた。コロナ禍当時、ノービザ入国が禁止されて2020年1万801人、2021年9972人、2022年8569人と持続して減少した。
特に済州道に不法滞在している中国人が1万人を超えた。外国人不法滞在者のうち93%は中国人(1万412人)だ。続いてベトナム326人(2.9%)、インドネシア291人(2.6%)、フィリピン239人(2.1%)、モンゴル133人(1.2%)、カンボジア31人(0.3%)、ラオス28人(0.3%)となっている。
不法滞在者の増加によって関連する犯罪も続出している。先月18日午後3時ごろ、凶器を持って住宅街を歩き回っていた50代中国人不法滞在者が警察に捕まった。この男性と一緒に暮らしていた40代中国人まで全員不法滞在者であることが確認された。警察は彼らの身柄を済州出入国・外国人庁に引き渡した。
◇1億ウォン(約1101万円)相当の金品盗んで赤色手配まで
あわせて警察は7月済州にノービザ入国した中国人に対して偽造身分証明書を製作して販売したり、不法就職斡旋(あっせん)ブローカーと偽造身分証明証を利用して他の地域に無断離脱を試みた中国人ら合計3人を拘束送検した。3人は領収書や韓国居住申告証さえあれば韓国国内を自由に移動できる点を利用して顔写真だけ交換する手法で身分証明書を偽造した。3人は済州特別自治道の設置と国際自由都市造成のための特別法違反や公文書偽造などの容疑がもたれている。
警察はまた、出入国管理法違反(不法就職斡旋)容疑で60代韓国人Aを書類送検した。
不法滞在中の済州で1億ウォン相当の貴金属を盗んだ後に本国に逃げた中国人もいる。済州警察庁は5月7日午前3時10分ごろ、済州市蓮洞(ヨンドン)のある宝石店に侵入して約1億ウォン相当の貴金属70点余りを盗んで逃走した40代中国人を国際刑事警察機構(インターポール)赤色手配後、追跡中だ。この中国人は当日午前11時20分に済州空港から上海に向かう航空便を利用して出国したことが確認された。不法滞在者である点を利用して犯行前に出入国・外国人庁に自主的に出国を申し込む手口で済州から抜け出したことが把握された。
一方、済州道は済州特別法により現在111カ国の外国人に対して査証(ビザ)なし入国を許可している。ノービザで済州道に入ってくれば最長で30日間滞在することができるが、入国後、国内他地域への移動は制限される。今年に入って8月まで、済州を訪問したノービザ外国人観光客は131万5638人に達する。