著名人になりすましたSNS偽広告で投資詐欺、被害者30人がメタを集団提訴へ…「審査を怠った」

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読売新聞オンライン

 SNS上で著名人になりすまして投資を呼びかける偽広告の問題で、被害に遭った首都圏や関西地方などに住む約30人が近く、広告審査を怠ったとして、フェイスブックやインスタグラムを運営する米メタと日本法人に損害賠償を求めて全国5地裁に一斉提訴することがわかった。請求額は少なくとも3億円に上るとみられる。

 原告側代理人の弁護士らによると、約30人は実業家の前沢友作氏らになりすまして投資を呼びかける広告を閲覧。その後、LINEに誘導され、投資名目で指定された口座に送金させられ、お金をだまし取られた。

 原告側は、広告が真実かどうか疑わしく、利用者に損害を及ぼすことが予見できる場合、メタには調査を行い、広告を掲載しない義務があると主張している。

 集団訴訟に原告として加わる埼玉県の男性会社員(37)は昨年8月、前沢氏らの写真を載せ、投資を呼びかけるフェイスブック上の広告をクリックし、その後、計約1400万円をだまし取られた。「メタは広告事業で収益を得ているのに、審査に十分なコストをかけていない」と訴える。

 SNS投資詐欺を巡っては4月、神戸市などの4人がメタの日本法人に損害賠償を求める訴訟を神戸地裁に起こしている。一連の訴訟で弁護団の事務局長を務める堀貴晴弁護士は「今後も多くの被害者の相談を受け付け、救済を図る。その道筋を立てる訴訟だ」と語る。

 メタ日本法人は読売新聞の取材に「個別の訴訟についてのコメントは差し控える」とした。

 警察庁によると「SNS型投資詐欺」の今年1~8月の被害は、前年同期比約4・4倍の4639件で、被害額は同約5・6倍の約641億円に達している。

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