Anthony Deutsch Tom Balmforth
[キーウ 13日 ロイター] – 欧州の情報機関関係者やロイターが入手した文書によると、ロシアは昨年から中国製のエンジンと部品を使った新型の長距離攻撃ドローン(無人機)の生産を開始し、ウクライナ戦争に投入している。ドローンの名称は「Garpiya-A1」。ロシアの国有兵器メーカー、アルマズ・アンテイの子会社IEMZクポルが2023年7月─24年7月にかけて2500機以上を生産した。
ウクライナの軍事・民間目標の攻撃に使用され、民間人と軍人の双方に犠牲者が出ているほか、重要なインフラが損傷を受けた。
米シンクタンク「新アメリカ安全保障センター」の非常勤シニアフェロー、サミュエル・ベンデット氏はロイターに対し、事実であれば、ロシアがイラン製の長距離ドローンへの依存を減らせると指摘。
「ロシアは、これまでよりも国内の開発に頼れるようになるほか、当然、中国にも頼れるようになる。この戦争では双方がドローン生産で多くの中国製部品に依存している」と述べた。
ロシア国防省はコメント要請に応じていない。
中国外務省は、ドローンを含め軍事転用される可能性がある輸出品を厳格に管理しているとした上で「中国はウクライナ危機で和平交渉と政治的解決の促進に常にコミットしている」と述べた。中国の対ロ貿易に国際的な制限はないとも指摘した。