キーウ(CNN) ロシア軍が夜間にドローン(無人機)やミサイルを使ってウクライナ全土のエネルギーインフラに対して大規模な攻撃を行った。少なくとも7人の死者が出たほか、各地で停電が報告されている。
ウクライナ空軍は26日、首都キーウや南部の港湾都市オデーサなどウクライナのほぼ全土を標的としたミサイルやドローンを探知したと明らかにした。
ウクライナ当局によれば、死者はドニプロペトロウスク、ザポリージャ、ボリニの各州で報告された。ポルタバ州の軍政トップによれば、産業用施設が攻撃を受け、同州では少なくとも5人が負傷した。
ウクライナのシュミハリ首相は26日、少なくとも15州がエネルギーインフラを標的としたロシアの大規模な攻撃の影響を受けた。
シュミハリ氏によれば、国営送電会社「ウクルエネルゴ」が電力網の安定のため、緊急で送電の停止を行った。ウクライナのエネルギー供給企業「ヤスノ」のコバレンコ最高経営責任者(CEO)によれば、ロシア軍の攻撃を受けて、キーウやドニプロなど一部の都市で停電が発生した。
キーウやドニプロにいるCNNの取材班は夜間に複数回の爆発音を耳にした。
キーウでは軍政トップが防空システムが州内や首都周辺で稼働しているとして、住民には避難所にとどまるよう求めた。
26日午前はキーウのあちこちで電気がついておらず、住民によれば、大きな爆発音を何回か聞いた後に停電になったという。
カテリーナさん(35)は26日、電話でCNNの取材に答え、「行く場所も隠れる場所もない」と語った。
カテリーナさんは砲撃を避けるため最近キーウを子どもとともに離れて、現在はキーウ郊外で電気や水の供給がない状態で生活しているという。
ロシアは26日、防空システムによって、ウクライナから夜間に発射されたドローン20機を破壊したと明らかにした。
ウクライナに隣接するロシア・ベルゴロド州の知事は25日、砲撃によって、民間人5人が死亡したほか、12人が負傷したと明らかにした。
ウクライナのゼレンスキー大統領は25日、越境攻撃を行っているロシア南西部クルスク州で最大3キロ前進したほか、2カ所の集落を支配下に置いたと明らかにした。
一方ウクライナでは、ロシア軍が東部の要衝ポクロウスクに向かって前進を続けており、次の重要な戦場となる可能性がある。