少なくとも5つのロシア地域の標的に対するウクライナの大規模なドローン攻撃、英国のRUSI研究所の調査結果、2024年の戦争に対するウクライナの戦略、ポクロフスク地域での戦闘について議論する
ウクライナの無人機がロシアを攻撃
昨夜遅く、長距離攻撃ドローンがロシア国内の複数の標的に大規模な攻撃を仕掛けた。ロシア国防省は「勇敢にも」80機近くのドローンを撃墜したと報告し、ロストフ地方で47機、ベルゴロド、ヴォロネジ、スモレンスク地方で各1機、クバンで8機、黒海とアゾフ海で17機を迎撃したと主張している。これらの攻撃の本当の影響は後でわかると思うが、写真や動画によると、少なくとも2機のUAVが標的に命中した。
最初の標的はトゥアプセ（ロシアのクラスノダール地方）の石油精製所だった。ドローン攻撃は2波に分かれ、映像にはドローンがゆっくりと降下して標的に衝突し、その後爆発する様子が映っている。少なくとも計8機の無人機が同精製所を攻撃したと伝えられている。被害の程度はまだ明らかにされていない。複数の情報筋によると、この作戦は諜報本部によって行われたという。同精製所の製品の約90％は輸出用で、今年1月と5月に続き、今回の攻撃は同施設への3度目の攻撃となる。同精製所の周囲には防空網がまだ存在せず、むしろそれは良いことだ。
ウクライナの無人機による攻撃を受けた2番目の標的は、現在の前線から約300キロ離れたロストフ州のモロゾフスク飛行場だった。ここは、Su-34とSu-24機を擁するロシア第559爆撃航空連隊の本拠地である。この飛行場から煙が上がる映像や爆発の報告がある。現地の情報筋は、爆発は8回あったと伝えている。4月には、この飛行場もウクライナ保安局と軍が運用する無人機による攻撃を受け、少なくとも6機の航空機が破壊または損傷した。
RUSIアナリストによる昨年のウクライナ軍の反撃に関する報告
ロシア領土の奥深くにある敵の標的に対するウクライナの無人機による組織的な攻撃が続く中、英国王立統合軍事研究所（RUSI）の報告書に言及する価値がある。この評判の高い英国の研究所は軍事作戦を分析しており、最近、ウクライナ軍参謀本部と共同で執筆した、2023年のウクライナの反撃の失敗の理由に関する報告書を発表した。報告書では、ウクライナが近い将来に攻撃作戦を再開することは賢明ではないと明確に述べられている。なぜか？簡単に言えば、14の予備旅団に対する武器の不足、敵の攻撃の継続、ロシアの豊富な人的資源、一部の外国製兵器の全面使用に対する制限などの現在の現実を考えると、このような状況下での別の反撃はおそらく無駄な繰り返しになるだろうと、RUSIの専門家は主張している。
報告書は、将来の攻撃行動のための資源が蓄積されている間、ウクライナは戦場と後方の両方でロシアに最大限の損害を与える戦略を採用すべきだと指摘している。クレムリンが侵略を継続できるかどうかは、兵士の給与と武器の生産に使われる財政準備金にかかっている。したがって、ロシアの奥地にある石油精製所や軍事産業施設を狙ったウクライナのドローンによる攻撃は、ウクライナが今年効果的に実行しなければならない消耗戦の一部である。同時に、ウクライナは戦場の現実をよりよく理解した上で、より徹底的に軍隊を募集、装備、準備する必要がある。
ポクロフスク地区の状況
1日前、戦場では117回の戦闘があり、そのうち39回はポクロフスク方面で発生しました。7月19日と20日には、ロシア軍が破壊されたプロフレス集落に侵入し、この地域の状況に多少の影響を与えたことが分かっています。
第110独立機械化旅団の広報部長イワン・セカチ氏は、ロシア軍はあらゆる陣地で激しい戦闘を繰り広げながら、ゆっくりと前進を続けていると語った。
「現在、戦闘はやや北に移動している。我々の旅団が位置するノヴォレクサンドリフカ方面の突出部は、敵にとって両側面からの攻撃にさらされ、非常に不便だからだ。FPVドローンも運用されている。地形は丘陵で難しく、敵のさらなる前進は困難だ。彼らは現在、前線を平らにしようとしているため、活動は北に移動している。彼らはそこにさらなる装備を展開しているが、新たなロシア旅団も我々の方向に到着している。彼らはBMP-3と「クロコダイル」と呼ばれる装甲KrAZ車両を持っているので、おそらく空挺部隊だろう。最近、彼らは素早く移動しながら攻撃を試みた。彼らは我々の第一防衛線を突破することに成功したが、7台の車両のうち戻ってきたのは3台だけで、残りは破壊された」とセカチ氏は語った。
彼によると、現在ポクロフスク地区の主な問題は、ロシア軍の兵力の優位性だ。このため小規模な攻撃となり、数人の兵士に対して砲撃を行うのは現実的ではなく、FPVドローンがどこにでも到達できるわけではない。
ロシア軍が進軍しているヴォズドヴィジェンカ近郊のポクロフスク・コスティアンティニフカ道路について、セカチ氏は、道路は通行可能だが、ロシアのFPVドローンや誘導爆弾がその地域に到達するという問題があると述べた。現在、ロシア軍はそこで砲兵を使用していない。
「あそこの地形は不便で、彼らはヴォズドヴィジェンカで行き詰まっています。私はそこに行ったことがありますが、丘の片側は湖で覆われていて、左にも右にも展開するには不利です。彼らはプロフレスから下から進撃しようとしています。ロシア軍は前進できる場所に基づいて行動し、前進できない場所では資源を節約し始めます」とセカチ氏は説明した。
装備に関しては、ポクロフスク地区のロシア軍は不足しているため、頻繁には使用していません。ウクライナ軍とは異なり、歩兵が不足しているわけではありません。
セカチ氏は、ウクライナ国防軍はヴァンパイア無人機と工兵部隊による遠隔採掘を行っているが、前線は流動的であるため、やるべきことは山積していると説明した。採掘設備の入手性についても新たな問題が生じている。「非常に効果的な新開発品があるが、数は多くない。もっとあれば、敵の進撃ははるかに困難になるだろう」
もう一つの問題は、ロシアの誘導爆弾だ。30分ごとに空爆が前線と教育施設を含む民間インフラの両方を襲う。セカチ氏は、これらの地域にはウクライナ軍はいないと強調した。
Su-25 機の損失にもかかわらず、ロシアは引き続き同機を使用している。偵察機のせいで状況はさらに複雑になっている。「偵察機はまるで自分の土地であるかのように飛行するため、この問題に対処する必要があります。スーパーカムやオルランなどの偵察機は、20 キロメートル以上 20 機が集中して、1 キロメートルごとに偵察を行うこともあります。偵察機は正確に我々を狙うことができるため、砲撃作戦の妨げになります。これは重大な問題であり、現在解決策はありません。地対空ミサイルで撃墜するには非常に費用がかかり、迎撃 1 回につき約 3 万ドルかかります。」
夜間、第 110 独立機械化旅団が活動する地域は比較的穏やかですが、攻撃は続きます。敵は通常、サーマル ドローンの効果が低下し、昼間のドローンの視界がまだ悪い、夕暮れの午前 5 時頃に攻撃します。私たちの部隊も、特にローテーションでこの戦術を採用しています。敵は日中は静かになりますが、夕方になると再び活発になります。
「これは特殊部隊ではなく、普通の歩兵部隊だ。空挺部隊に関しては、野戦には向かない。主導権を維持して攻勢を続ける必要があるが、予備兵力をすべて使っている。新しい装備の到着は、古い資源が尽きつつあることを意味し、最後の予備兵力を投入している。地政学的状況が進展していることは誰もが理解している。彼らは主導権を維持し、今後の交渉に生かす必要がある」とセカチ氏は説明した。
動員について、彼は次のように述べた。「確かに、第一波の少数の人々は既に旅団に加わっています。募集システムは6月13日に少し変更されましたが、うまく機能しています。痛い問題は、誰が不足しているかということです。歩兵です。死傷者が多く、激しい戦闘により退役した人員が大量に流入しているため、歩兵が不足しています。残念ながら、ここでは募集はあまり役に立ちません。歩兵に加わりたい人はあまりいないからです。そのため、主な増援は引き続き地域募集センターを通じて行われます。」
