札幌ドーム、試算では「5年で黒字化」見込んだが…23年度は想定の倍以上の赤字で達成困難に

札幌ドーム(読売チャーター機から)
読売新聞オンライン

 札幌ドームを運営する札幌市の第3セクター「札幌ドーム」の2023~27年度収支計画について、市が見直しの検討に入ったことが、市関係者への取材でわかった。22年に試算した計画では、5年間トータルで900万円の黒字を見込んだが、23年度の赤字が大きく膨らみ黒字化は困難と判断した。

 ドーム社の23年度の最終的な赤字(当期純損失)は、プロ野球・北海道日本ハムファイターズの本拠地が23年シーズンから北広島市に移転した影響やコンサートなどのイベント数の減少で過去最大の6億5100万円に上った。市の当初の計画では2億9400万円の赤字と想定しており、2倍以上だった。

 22年に試算した計画では、23年度の赤字を24年度以降に回収し、5年間のトータルで黒字化すると試算していた。ドーム社は今年度、命名権の早期売却やイベント開催日数を123日まで増やして黒字化を実現するとしている。ただ、今後の4年間を合計しても23年度の赤字を埋めるのは厳しいとみられる。

 今後は広告収入の見通しや物価高騰なども踏まえ、収支計画の見直しに着手する。22日には市議会にも報告する予定で、収支のほか将来的な運営体制も議論になる見通しだ。

元記事を読む