[東京 10日 ロイター] –
午後3時のドル/円は、前週末ニューヨーク市場の終盤からドル高の157円前半で取引されている。フランスのマクロン大統領が総選挙に踏み切ったことで、欧州政治や経済への警戒感が台頭しユーロが売られた。
週明けアジア市場では、早朝からユーロが下落。対米ドルで1.08ドル付近で取引が始まった後も軟調地合いが続き、1.07ドル半ばまで下げ幅を広げて1カ月ぶり安値を更新した。
きっかけとなったのは、9日に大勢が判明した欧州連合(EU)の欧州議会選。マクロン氏の与党勢力がマリーヌ・ルペン氏の極右政党に大敗する見込みとなり、大統領は日本時間10日早朝、国民議会(下院)の解散総選挙を実施すると発表した。「(国民の)メッセージと懸念を聞いた。応えないままにはしない」と決断の理由を説明した。
ユーロはアジア時間から全面安となり、対英ポンドで0.84ポンド半ばと22年8月以来2年ぶり、対スイスフランで2カ月ぶり安値を更新した。対円でも168円後半へ下落した。
市場では「仏で政治的な不確実性が高まれば、その他の国も含め、域内景気の行方に疑念が生じかねない」(外銀アナリスト)として、きょうの欧州市場の反応に大きな関心が寄せられている。
日本時間午後3時過ぎ、フランスの10年債利回りは前週末終盤の3.10%付近から水準を切り上げ、3.16%付近で取引が始まった。株式市場の仏CAC先物は1%を超える下げとなっている。
ドル/円 ユーロ/ドル ユーロ/円
午後3時現在 157.06/157.09 1.0752/1.0756 168.89/168.93
午前9時現在 156.82/156.83 1.0777/1.0781 169.04/169.05
NY午後5時 156.70/156.73 1.0801/1.0805 169.30/169.34