国連のグテーレス事務総長は5日、気候変動について、「今こそ真実と向き合う瞬間」とし、各国・地域に具体的な対策を求める特別演説を行った。気候危機に対する世界の行動は遅く、人類は自ら地球を危険にさらしていると指摘。すべての加盟国に「化石燃料会社からの広告を禁止するよう求める」と発言した。
米ニューヨークの博物館で演説したグテーレス氏は、地球が危機的状況にあることを改めて訴えた。欧州連合(EU)の気象情報機関「コペルニクス気候変動サービス(C3S)」によると、昨年6月から今年5月まで毎月、月間の平均気温は最高を記録しているという。
「この1年、地球は私たちに何かを伝えようとしているが、私たちはそれに耳を傾けていないようだ」
そう述べたグテーレス氏は、たとえとして、巨大な隕石(いんせき)の衝突をきっかけに絶滅したとされる恐竜を引き合いに出した。「気候の話の場合、私たちは恐竜ではなく隕石だ」「私たちこそが危険なのだ」などと述べ、警鐘を鳴らした。
朝日新聞社