派閥の政治資金パーティー裏金事件を受けた政治資金規正法改正を巡り、自民党が3度修正した改正案は6日の衆院本会議で可決され、衆院を通過した。これを受け、X(旧ツイッター)上では7日午前、ワード「裏金維持法」がトレンド入りした。
インターネット上では「穴だらけの裏金維持法」「裏金維持法、上手すぎるネーミング」「ネコババ継続できる裏金維持法」「悲しくなりますよね…起立した議員は、心が痛まないのかしら」「マスゴミは規制法改正案いわゆる裏金維持法より、裏金の真相解明と脱税議員の法的処罰に目を向けなよ」「なるほど裏金維持法…か」などの声が上がっている。
自民と公明党、日本維新の会が改正案に賛成した。立憲民主党などが訴えた企業・団体献金禁止は含まず、不透明な政治資金である政策活動費も温存される。立民の西村智奈美代表代行は「抜け道だらけだ」と批判した。論戦の舞台は参院へ移り、7日の政治改革特別委員会で審議入りする。23日の国会会期末までの成立は確実な情勢となっている。
自民案には教育無償化を実現する会も賛成。立民、共産党、国民民主党、れいわ新選組、社民党は反対した。立民・国民共同提出法案や、立民提出の政治資金パーティー開催禁止法案、企業・団体献金禁止法案はいずれも否決された。 岸田文雄首相は、参院審議に向けて「約束した法改正を確実に実現するため、引き続き緊張感を持って取り組む」と官邸で記者団に強調した。
自民は公明、維新の要求を踏まえ、提出していた改正案を修正した。自民案は事件の再発防止策で、いわゆる「連座制」として政治資金収支報告書の「確認書」交付を国会議員に義務付け。要件により公民権停止となる。政治資金透明化策では、パーティー券購入者名の公開基準を現行「20万円超」から「5万円超」へ引き下げ、使途報告義務がない政策活動費に支出の項目別金額と「年月」を報告させるとした。
付則には維新の主張を受け入れた政策活動費の年間上限額設定や領収書10年後公開、監査する第三者機関の設置を盛り込んだものの、詳細は今後の検討事項とした。岸田首相は実効性への疑問を記者団に問われ「公明、維新と真摯に検討して案を作った。指摘は全く当たらない」と反論。本会議の賛成討論で自民の山下貴司氏は企業・団体献金に関し「憲法上の権利であり全面禁止は過剰な規制だ」と主張した。