[東京 29日 ロイター] – 日銀が29日発表した2023年度決算によると、保有国債の評価損(含み損)は24年3月末時点で9兆4337億円となった。期末に迫るなかでのマイナス金利解除に伴う影響は、ひとまず限定的だった。
保有国債の含み損は23年9月末時点で10兆5000億円だった。マイナス金利解除に先立つ23年7月と10月の政策修正も影響し、23年3月末の実績(1571億円の含み損)からは急増した。
日銀によると、保有国債の買い取り時の簿価が589兆6634億円だったのに対し、時価は3月末時点で580兆2297億円だった。
一方、大規模緩和の一環として買い入れてきた上場投資信託(ETF)は、株高を受けて含み益が膨らんだ。水準としては過去最高だった。
24年3月末の評価損益は37兆3120億円のプラスで、23年9月末の23兆5794億円からさらに増えた。
経常利益そのものは堅調に推移し、23年度は4兆6399億円と、改正日銀法が施行された1998年度以降の最高額を更新した。
企業の最終利益に相当する「当期剰余金」も2兆2872億円と1998年度以降で最大だったことを受け、2兆1728億円を国庫に納付する。