大規模マネロン犯罪、不正口座、協力者への依頼…浮かび上がる巧妙なやり口

マネーロンダリング事件の構図 産経引用

不正に開設した法人口座を使って犯罪収益をマネーロンダリング(資金洗浄)したとして、大阪府警に逮捕された会社代表らのグループは、さまざまな犯罪集団から毎月100億円規模の洗浄を請け負っていた。これほど大規模なマネロンビジネスを実現できたのは、約4千口にも上る法人口座を管理下に置いていたから。口座開設に当たってフル活用されたのは、「匿名・流動型犯罪グループ(トクリュウ)」の必須ツールである交流サイト(SNS)だった。

元締め集団 SNSフル活用

「ここはペーパーカンパニー。法人口座は譲り渡した」

府警は令和4年9月、オンラインカジノの利用者を増やせば報酬が得られるなどとうたい、マルチ商法を展開していた集団を摘発。この事件の被害者が振込先として指定されていた法人4口座を捜査したところ、もとの開設者からすべて有償で譲渡されていたことが判明した。カネの流れをつぶさに追う中で見えてきたのが、法人口座の〝元締め〟たる「リバトングループ」の存在だった。

大阪府警生活経済課によると、不動産売買などを目的に掲げる富山市の「リバトン」をはじめ9法人から成り、3年ほど前から活動。約500のペーパー会社の設立に関与し、4千以上の法人口座を管理していた。

リバトングループは特殊詐欺や投資詐欺、違法カジノなどさまざまな犯罪集団を顧客に持ち、依頼を受けると管理口座を紹介。例えば特殊詐欺であれば、被害者がだまされて最初に金を振り込む口座がこれに当たる。

リバトン側は、ここから別の管理口座への資金移動を繰り返し、最終的に海外口座へも送金。外部からはカネの流れを容易にたどれないようにした上で、最終的に犯罪集団側に還流していたとみられる。

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