フィリピンを進む熱帯低気圧は、今後、台風に発達し、フィリピンの東、さらに沖縄の南に進む予想です。沖縄の南を進むときには暴風域を伴うでしょう。その後、日本の南を北東へ進む見込みです。海では波が高くなるなど影響が出てくる可能性があります。台風の動向に限らず、28日から29日は、本州付近を南下する前線の活動が活発になり、九州から東海では警報級の大雨になる可能性があります。
当初の予想より遅れている台風1号の発生 今後は注意が必要
台風に発達すると予想されている熱帯低気圧は、今日25日午後3時、フィリピンを西北西へ進んでいます。今後、台風になり、北上する見込みです。その後、フィリピンの東、さらに沖縄の南に進む予想です。台風になると、今年初めての台風で、台風1号です。
この熱帯低気圧は、当初の予想より発達が遅れていますが、フィリピンの東では、上空で時計回りの風の流れがあり、台風など熱帯擾乱は発達しやすくなります。
今後、熱帯低気圧から変わる台風は、沖縄の南を進むときには、風速25メートル以上の暴風域を伴うでしょう。その後、日本の南を北東へ進む予想です。
沖縄や九州から東北の太平洋側を中心に、海では台風からのうねりが届いたり、波が高くなったりなど影響が出てくる可能性があります。今後、最新の台風情報をご確認ください。
28日~29日は大雨の恐れ 前線の活動が活発に
28日から29日は、台風など熱帯擾乱の動向に限らず、大雨に警戒が必要です。
28日から29日、本州付近を前線が南下し、南から暖かく湿った空気が流れ込む見込みです。たとえ、台風が持ち込むような熱帯育ちの暖かく湿った空気が流れ込むことがなくても、前線の北側には比較的冷たい空気が流れ込むこともあり、前線の活動は活発になるでしょう。前線の南側では台風とは別の低気圧が発生することで、雨雲が発達しやすくなることも考えられます。広く本格的な雨になるどころか、九州から東海では、警報級の大雨になる可能性もあります。
本格的な長雨の季節はまだ先でも、本州付近に前線が延びることがある時期です。日頃から側溝の掃除をして、家の周りの水はけをよくしておくなど、大雨に備えておくとよいでしょう。
日本気象協会 本社 白石 圭子