将棋の藤井聡太名人(21)=王将を含む8冠=に豊島将之九段(34)が挑む、第82期名人戦7番勝負(毎日新聞社、朝日新聞社主催)は9日、東京都大田区の羽田空港第1ターミナルビルで第3局2日目が指され、95手で藤井名人が勝利した。7番勝負の対戦成績を3勝0敗とし、昨年6月に渡辺明九段(40)から奪った名人位の初防衛まであと1勝とした。
両者の対戦成績は藤井の24勝で豊島の11勝。第3局は36局目にして初めて雁木(がんぎ)になった。藤井による45手目、豊島陣の浮き駒・金を狙った端角で再開された対局は、藤井が竜を作って優勢に進めている。駒の損得は金銀交換で、銀を自陣へ埋めた豊島に対し、藤井は金を手駒にしている。手番も藤井のまま、62手まで進んだ。
昼食休憩時には持ち時間9時間から藤井が4時間58分、豊島が6時間16分消費した。消費時間に1時間以上の差がついた。
棒銀による2筋の突破で竜を作ると、金銀交換で駒台へ乗せた金で豊島飛車を押さえ付けた。豊島最大の攻め駒を攻め、優勢を拡大して押し切った。
豊島九段に12連勝で初防衛に王手をかけた藤井は、封じ手後の形勢について「部分的には攻めが成功していそうな形だったかなと」と2日目のスタートを回想。2日間を振り返り「序盤は激しくなりそうな形だったんですけど、(中盤からは)判断が難しい一局だった」と語った。
また羽田空港での対局については「対局室から飛行機の離着陸の様子がよく見えて、そういった景色を眺めてリフレッシュすることも多かった。凄く良い環境で対局することができました」と話した。
勝てば藤井の初防衛が決まる、豊島九段にとっては崖っ縁となる第4局は18日(土)、19日(日)に大分県別府市「割烹旅館もみや」で行われる。
引用元:スポニチ
画像:名人戦第3局2日目に臨む藤井聡太名人(日本将棋連盟提供)Photo by 提供写真