“黄砂アレルギー”増加 花粉症なくても…アレルギーや呼吸器疾患の可能性 GWにも飛来か 対策は?

気象庁によると、4月は黄砂を観測する日が最も多くなっています。
そんな中、黄砂に付着した大気汚染物質などが影響する、いわゆる“黄砂アレルギー”が増加。

“黄砂アレルギー”とは?

黄砂によるアレルギーとはどんな症状なのでしょうか?

大西先生によると、モンゴルで採取された黄砂と鳥取で採取された黄砂を比べてみると、鳥取で採取された黄砂の方が黒ずんで見えます。
この鳥取の黄砂を拡大してみると、黄砂の周りに花粉のようなものや大気汚染物質が付着していて、これによって黒ずんでいることがわかります。

聖路加国際大学 大西一成准教授:
黄砂の付着・吸引で黄砂に含まれる金属成分や付着した大気汚染物質・カビ・細菌によりアレルギー症状などを引き起こすのです。

体への影響は?

体への影響はというと、大きく分けて3つの症状があるといいます。
1つ目は、目のかゆみ・鼻水・くしゃみ・皮膚の炎症などの「アレルギー症状」。
そして「呼吸器疾患」ぜんそくなどの症状悪化を引き起こすこともあります。
さらに「循環器疾患」脳梗塞や心筋梗塞による救急搬送・入院増加もあるということです。

聖路加国際大学 大西一成准教授:
アレルギー疾患や呼吸器系の疾患を持っていない方でも目のかゆみであるとか鼻水、くしゃみ、喉のたん、せき、といった症状が出ることが確認されています。
花粉症の検査で陰性であったとしても、黄砂が飛来して来ているときにこのような症状が出る場合は黄砂アレルギーを疑うことができます。

――もともと花粉症の症状がない人でも、黄砂アレルギーが出た場合、普通のアレルギー薬で対応できるのでしょうか?
対症療法になりますので、症状を抑える治療になります。

この黄砂ですが、花粉症の人が黄砂の影響を受けると、症状が重症化してしまうことも確認されています。

取材した40代男性は、もともと花粉症とハウスダストのアレルギーを持っているのですが、4月中旬の黄砂の影響で鼻水やせき、目や喉の痛みなど、花粉症の症状が悪化。声がかすれ、会話に支障をきたすほどだったといいます。

GWも飛来か

ゴールデンウィークがスタートする、27日未明に東北地方の一部に少ない量、北海道にはやや多い黄砂が飛来。
その後は、日本列島を離れていきますが、GW中盤以降戻ってくる可能性があるといいます。統計的に5月3日周辺は黄砂が多く飛来する時期ということです。

――注意した方がいい年代などはあるのでしょうか?
聖路加国際大学 大西一成准教授:

一般的に、子どもや高齢者の方というのは環境の変化による健康への影響を受けやすいとされていますけども、特に子どもや高齢者の方でぜんそくの入院が増えるということが報告されています。

対策は?外出時や帰宅時に注意

では、黄砂の対策はどうすればいいのかというと、黄砂の飛散が予測されている日などは…外出する場合は時間を短くし、帽子、マスク、表面がツルツルした素材など服装に注意すること。帰宅後はシャワーなどですぐに黄砂を洗い流し、洗濯は外干しを避けることが重要です。

――花粉症対策に近いですね。
聖路加国際大学 大西一成准教授:

日常、普段やられているような日焼け止めクリームを塗ったりだとか、帽子をかぶったりサングラスやメガネをかけておしゃれをされたりとかそういった中で、直接黄砂が肌に触れるのを防ぐということができますので、そういったことで黄砂の対策を効率よくご家庭でやっていただければいいと思います。
(「めざまし8」4月25日放送より)

引用元:FNNプライムオンライン

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