ネリが井上尚弥は「過大評価」と断言「バスケ界のマイケル・ジョーダンのような存在ではない」

プロボクシング元世界2階級制覇王者で現WBC世界スーパーバンタム級1位のルイス・ネリ(29=メキシコ)が5月6日に東京ドームで挑む4団体統一同級王者井上尚弥(31=大橋)の弱点を指摘した。

23日、東京・新宿区の帝拳ジムで練習を公開。シャドーボクシング、ミット打ちなどを披露し「体調は100%良い。5カ月間、トレーニングを積んできたんだ。マックス状態のコンディションだ」と充実した笑みを浮かべた。

 現時点のウエートはスーパーバンタム級のリミット(55・5キロ)よりも約2・3キロほど多い127ポンド(約57・61キロ)まで落としているという。米国でのトレーニング中に3度、VADA(ボランティア反ドーピング機構)の検査を受け、すべて陰性だったと強調。17、18年の元WBC世界バンタム級王者山中慎介との対戦時に起こったドーピング違反や体重超過は起こらないとの態度を示した。

 井上に対し、ネリは「グレートなボクサーだと思う。私は彼からくるもの全てに備えている。スピードあってパワフルな、キャパシティーのある選手だと思う。彼をライバルとして見ている。そうならなければ私は彼のライバルにならなったと思う」と敬意を表した。

 現在、井上は100年以上の歴史と権威のある米老舗専門誌ザ・リングのパウンド・フォー・パウンド(階級超越の最強ボクサー)ランキング2位で、23年には複数の米メディアや米ボクシング記者協会、WBCから年間最優秀選手にも選出された。しかしネリは「過大評価されている」と言い切った。

 昨年12月の井上-マーロン・タパレス(フィリピン)戦の4団体王座統一戦が10回KO決着となったことを挙げ「タパレス戦が10ラウンドまでいったこともあり、過大評価だと思う。良い選手、例えばばバスケットボールのマイケル・ジョーダンのような選手ではないということだ」と持論を展開。戦前予想では井上有利との声が多いことにも言及し「世界中からの井上支持は当然のことだ。無敗の王者だ。ただし私にも自分の手がある。必ず勝利をつかめると思う」と強気な姿勢を崩さなかった。

 井上の研究も相当進めているようで「弱点はいくつか見つけている。勉強してきた。ディフェンス面とともに、それ以外にもいくつか弱点がある。それは話せないが、試合でみてもらうことになる」と自信の表情を浮かべた。

 またネリを担当するサニール・ロサーナ・トレーナーは「井上選手は良い選手だが、ミスもある。5月6日、井上選手のミスをみることになるだろう。井上選手の練習パートナーがメキシコ人で彼の意見を聞いて研究、勉強してきた」と不敵な笑みをみせていた。

引用:日刊スポーツ

ポーズを決めるネリ(撮影・横山健太)
ポーズを決めるネリ(撮影・横山健太)日刊スポーツ引用

ルイス・エステバン・ネリー・エルナンデス(Luis Esteban Nery Hernández 1994年12月12日 – )は、メキシコのプロボクサー。ティフアナ出身。元WBC世界バンタム級王者。元WBC世界スーパーバンタム級王者。世界2階級制覇王者。日本では2017年8月の山中慎介戦以降は「ルイス・ネリ」と表記されている。