お笑いコンビ・ダウンタウンの松本人志(60)が、女性に対し性的強要をしたと報じた週刊誌「週刊文春」発行元の文藝春秋と同誌編集長に対して、名誉を毀損されたとして5億5000万円の慰謝料などを求めた訴訟の第1回口頭弁論が28日、東京地裁で開かれた。松本は姿を現さず、双方の代理人弁護士が出席。文春側は報道内容を事実として、請求棄却を求めた。この日はわずか4分で閉廷したが、その後双方の代理人が報道陣の取材に対応。松本側の代理人弁護士・田代政弘氏は、今後松本が出廷する可能性について「最後までいけば」と言及した。
今後、裁判はどう展開していくのか。弁護士法人「ユア・エース」の正木絢生代表弁護士は「今回の期日で、被告である文春側が原告である松本氏側に反論している状況になっていますから、再度松本氏側が反論していくことになります」と説明した。
この日の口頭弁論で松本側が性的行為を要求されたと主張している「A子さん、B子さん」の特定を要求。このことの妥当性について「誰に対する行為と言う部分は大事ですから(翻ってそれさえ言えないなら真実ではないと主張できます)、その開示を求めること自体には妥当性があるでしょう」としつつも「これらの事実が明らかになったとしても、今回争われている性加害の有無については分からないのではないのかと思います」とした。
文春側が松本側の要求を一蹴したことの妥当性と、匿名性を保つことによる裁判への影響については「二次被害を防ぐためにもその身元を秘匿することは妥当です」とした一方で「松本氏による性加害があったということを立証する上で、やはり誰が被害に遭ったかという点は非常に重要です。とことんまで匿名性を保つなら、文春側による証明が不十分だとして文春が敗訴するリスクが高まっていくでしょう」と指摘した。