米、北朝鮮の約3000人派兵確認 ロシア東部基地で訓練後参戦へ 「インド太平洋情勢に影響」懸念

ウクライナ文化情報省傘下の機関が公開した北朝鮮兵とされる映像の一場面。ロシア極東の軍事施設で装備品を受け取る様子としている(共同)
ウクライナ文化情報省傘下の機関が公開した北朝鮮兵とされる映像の一場面。ロシア極東の軍事施設で装備品を受け取る様子としている(共同)
産経新聞

【ワシントン=渡辺浩生】バイデン米政権は23日、北朝鮮がロシアのウクライナ侵略を支援するためロシアに約3000人の部隊を派兵したとの調査結果を明らかにした。部隊は露東部の基地で訓練を受けているとし、兵力の消耗が激しい露軍の補充として戦線に投入されるとみている。インド太平洋地域の安全保障に影響が生じる可能性もあるとみて、同盟諸国と監視を強化する構えだ。

ウクライナの最大支援国の米国は北大西洋条約機構(NATO)加盟国や韓国などと、北朝鮮参戦の実態把握を続ける。韓国情報機関の国家情報院も23日、朝鮮人民軍3000人規模が派兵されたと明らかにした。

カービー米大統領補佐官は23日の記者会見で、北朝鮮の部隊約3000人が10月中旬に北朝鮮の元山から露極東ウラジオストクに船で輸送され、戦闘訓練を受けていると指摘。訓練が終了すれば露西部に移動しウクライナ軍との戦闘に参戦する可能性があると述べた。

カービー氏はまた、北朝鮮の派兵は2022年2月にロシアが開始したウクライナ侵略の「劇的な変化だ」と指摘。同盟諸国と対応を協議し、今後さらなる情報開示を行うとともに、制裁を含む対抗措置を明らかにすると述べた。

カービー氏はさらに、北朝鮮の参戦は、戦場における露軍の激しい兵力損失と、それに伴う北朝鮮との軍事協力の進展を明示していると指摘。

金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記が実際に流血の伴う兵力提供に応じたことで、ロシアから軍事上の見返りを得る可能性があるとし、ウクライナ情勢に加え「インド太平洋地域に安全保障上の影響が生じる」との懸念を示した。

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