北朝鮮軍、砲兵部隊に準備指示 韓国無人機侵入なら「即時打撃」

北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記=7日、平壌(朝鮮通信・時事)

 【ソウル時事】北朝鮮国防省報道官は13日、朝鮮人民軍総参謀部が韓国の無人機の侵入に備え、南北境界線付近の砲兵連合部隊に「準備態勢」を取るよう指示したと発表した。韓国の無人機侵入が確認された場合には「敵の特定対象物を即時に打撃する状況を想定」し、武力衝突の拡大にも備えると主張した。朝鮮中央通信が伝えた。

 金正恩朝鮮労働党総書記の妹、金与正党副部長は12日の談話で、韓国の無人機が今月平壌の上空に侵入し、ビラをまいたと非難。再び「領空侵犯」があれば報復攻撃を開始し、「惨事が起きる」と警告していた。南北の緊張を高める狙いがあるとみられる。

 北朝鮮国防省によると、総参謀部は12日に「作戦予備指示」を下した。13日午後8時(日本時間同)までに「完全武装した八つの砲兵旅団を射撃待機態勢に転換する」よう指示した。

 北朝鮮は韓国の無人機が今月に入り3回にわたり平壌でビラを散布したと訴えている。韓国大統領府高官は13日のテレビ番組で、北朝鮮側の主張について、内部の統制を図る思惑があるとして「無視することが正解だ」と語った。この発言について、北朝鮮国防省報道官は談話で「妄言だ」と反発。「再び韓国の無人機が出現すれば宣戦布告とみなす」と強調した上で「国民の命を賭けることは悲惨な壊滅につながる」と威嚇した。

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