人間の都合で生み出される“ミックス犬”に賛否の声…日本のペット(犬・猫)は1万1906匹が殺処分(令和4年度)

環境省のデータ
環境省のデータ((C)ABEMA)
ABEMA TIMES

 人類の長年のパートナーである「犬」をめぐって、先日ネット掲示板で議論が勃発した。それは「ミックス犬」の是非だ。違う犬種を人工的に交配させて生まれた犬のことで、ゴールデンレトリバーとプードルを掛け合わせた「ゴールデンドゥードル」や、シベリアンハスキーとポメラニアンを掛け合わせた「ポンスキー」などがある。

 人間の都合で異なる犬種を交配することに疑問の声が上がる一方で、人気飼育犬種ランキングでは、トイプードルやチワワを抜いて、4年連続1位が「ミックス犬」だ。『ABEMA Prime』では賛否双方の立場の関係者とともに議論した。

■ミックス犬に賛否

 ミックス犬には明確な定義がないが、異なる犬種(純血種同士)の人為的な交配で生まれる種を指すことが多い。ミックス犬などの販売応援サイト「ペットの実家」を運営する藤本真央氏は、「“チワワ”や“ポメラニアン“のように、名前が付いている純血種同士を人為的に交配させたのがミックス犬だ。一般的な“雑種”は、どんな犬種が混ざっているかわからないが、ミックスはどの犬種が親かがわかる」と解説する。

 アイペット損害保険の調べによると、2023年の人気飼育犬種ランキングは、ミックス(小型犬)が4年連続1位となった。2位以下は、トイ・プードル、チワワ、柴犬、ポメラニアン、ミニチュア・ダックスフンド、ミニチュア・シュナウザー、フレンチ・ブルドッグ、ヨークシャー・テリア、シー・ズーといったトップ10になっている。

 ミックス犬が人気な理由について、藤本氏はペットショップ店長の経験から、「オンリーワンだからではないか」と考察する。「東京都内の高級住宅街では、チワワやトイプードルを見つける方が難しく、ミックスしか人気がない。さまざまなミックスがあり、バラエティーの豊かさから人気なのだろう」。

 コラムニストの河崎環氏は「“人為的”という点が引っかかる」といい、「ブリーダーが、命を投機商品的に扱っているように感じる。希少性の高さや、かわいさから『売れる』ために掛け合わせるなど、『命を何だと思っているのか』と思う」と指摘する。

 環境省のデータ(令和4年度)によると、日本のペット(犬・猫)は5万2793匹が新たに引き取られ、4万129匹が返還や譲渡される一方で、1万1906匹が殺処分されている現状がある。阪根氏によると、「これでもかなり減った」そうだ。「殺処分は、凶暴で人を傷つけてしまったり、すでに病気にかかっていたりで、譲渡できない子が多い。譲渡可能な子は、動物愛護団体や動物愛護センターが、引き受け手を探す努力をしている」。

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