■パリオリンピック™ フェンシング男子エペ個人 決勝(現地時間28日、グランパレ)
世界ランク3位の加納虹輝(26、JAL)が男子エペ個人決勝で地元フランスのY.ボレル(35、同4位)を破り、フェンシング個人種目では日本勢史上初の金メダルを獲得した。
日本フェンシング界のオリンピックでのメダルは、北京大会の太田雄貴の銀(男子フルーレ個人)、2012年ロンドン大会の男子フルーレ団体の銀、2021年東京五輪の男子エペ団体の金の3つで、エペ個人では初のメダルとなった。
相手は地元フランスの「英雄」と言われる選手。完全アウェーの中、第1ピリオド。両者探り合いの中、加納が先制する。世界屈指のスピードで3-2とリードし、第2ピリオドを迎えると相手の懐に入るなどテンポよく得点を重ね9-5。4点をリードした最終第3ピリオドも連続で得点し、先に15点を奪い勝利した。
フェンシングにはエペ、フルーレ、サーブルの3種目があり、エペは唯一、全身の突きが有効となる。加納は東京五輪の男子エペ団体で初の金メダルを獲得し、昨年のW杯ドイツ大会で優勝、アジア大会で金メダルと世界ランク3位で今大会個人でのメダルも期待されていた。
男子エペ個人には東京五輪団体メンバー3人が出場。3大会連続出場のベテラン見延和靖(37、ネクサス)は3回戦でボレルに11‐15で敗れ、同じく山田優(30、山一商事)も準々決勝でボレルに延長戦の末敗れ、準決勝進出を阻まれた。
決勝では加納が2人の思いも背負い、アウェーの雰囲気を振り払って見事勝利。日本勢初のフェンシング個人種目での金メダルに輝き、歴史的快挙を達成した。