大阪府東大阪市で、職務質問中の警察官に対し、車を急発進させるなどした公務執行妨害の疑いで現行犯逮捕された男が、警察官を車でひいて殺害しようとしたなどの疑いで24日、再逮捕されました。この事件では、警察官が男に対して拳銃を発砲し、男の右腕に弾が当たり負傷していました。男は調べに「事実無根です」などとと容疑を否認しているということです。
殺人未遂などの疑いで再逮捕されたのは、住居不定の自称アルバイト、森田晃容疑者(45)です。
大阪府警によりますと、6月15日午前2時ごろ、東大阪市横小路町の国道170号線(大阪外環状線)で、大阪府警枚岡署地域課の40代の男性警部補と30代の男性巡査部長の2人が巡回中、警部補らのほうをちらちら見る不審な車を発見し、追跡を開始しました。
車は、Uターンなどを繰り返した末、コンビニエンスストアの駐車場に同乗していた女を降ろして、その場から立ち去ったため、警部補らが任意で女から事情を聞いていたところ、再び車が近づき、運転していた森田容疑者が「早く乗れ」などと女に急かしたということです。
その後も、車は逆走などを繰り返したため、巡査部長は拳銃を向け「止まらないと撃つぞ」などと警告しましたが、車が急発進して近づいてきたため、巡査部長は車の側面から所持していた拳銃で一発発砲しました。
さらに車は約100メートル逃走しましたが、パトカーなどが駆けつけ、森田容疑者は公務執行妨害の疑いで現行犯逮捕されました。森田容疑者は腕を負傷していたため病院に搬送され、左腕を骨折する重傷で、治療のため釈放され、入院していましたが、24日、警察官を殺害しようとしたなどの疑いで再逮捕されました。調べに対し、森田容疑者は「事実無根です。警察官を殺すつもりは1ミリもありませんでした」と容疑を否認しているということです。
同乗していた女(25)は、覚醒剤の陽性反応が出たことから、覚醒剤取締法違反の疑いで緊急逮捕されていて、警察は森田容疑者の関与についても調べています。
大阪府警枚岡署の貴田伸平副署長は、「警察官の拳銃の使用は適正な職務執行であったと判断している」としています。