(CNN) 複数の米高官が首都ワシントンを今週訪問したイスラエルの高官代表団に対し、北部国境でレバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラとの全面戦争が発生した場合、バイデン政権はイスラエルを支援する用意があると伝えたことが分かった。米政権高官が明らかにした。
イスラエルとイランを後ろ盾とするヒズボラの間では最近、越境攻撃が増加しており、中東で新たな全面紛争が勃発する可能性に懸念が高まっている。
イスラエルのネタニヤフ首相は米国が兵器と弾薬の供与を控えていることを公然と批判し、両国当局者の間で緊迫したやり取りが起きている。
ワシントンで今週行われた一連の会談には、デルメル戦略問題相やハネグビ国家安全保障顧問を含むイスラエルの高官が参加した。バイデン政権からはサリバン大統領補佐官(国家安全保障担当)やブリンケン国務長官、マクガーク中東調整官らが出席した。
情報筋によると、出席者はイスラエル北部国境の状況やイラン、停戦や人質関係の交渉を含む幅広い議題について話し合った。
ヒズボラの挑発の件が協議に上った際、複数の米当局者はイスラエルに必要な安全保障支援を提供する方針を明確にしたという。米政権高官が明らかにした。ただ、こうしたシナリオになっても米軍を地上派遣する予定はない。
ハマスによる昨年10月7日のイスラエル攻撃以降、イスラエルに対するヒズボラの挑発は続いており、ここ数週間でエスカレートしている。バイデン政権はこれまで、イスラエル北部前線で新たな戦争が起きるのは望ましくないとの考えを繰り返し表明、外交を通じた緊張緩和を促してきた。今週には、ホッチスタイン特使が緊張緩和を支援するため中東に派遣された。
ヒズボラ(アラビア語: حزب الله, 翻字: Ḥizb Allāh, 文語アラビア語簡略発音:ヒズブッラー、口語発音:ヒズボッラー、ヒズバッラー)は、1982年に結成されたレバノンのシーア派イスラム主義の政治組織、武装組織。
イランとシリアの政治支援を受け、その軍事部門はアラブ・イスラム世界の大半で抵抗運動の組織と見なされている。日本、欧州連合、米国、オランダ、バーレーン、エジプト、英国、豪州、カナダ、イスラエルは、ヒズボラの全体または一部をテロ組織に指定している
レバノンを中心に活動している急進的シーア派イスラム主義組織で、イラン型のイスラム共和制をレバノンに建国し、非イスラム的影響をその地域から除くことを運動の中心とする。反欧米の立場を取り、イスラエルの殲滅を掲げている。