[パリ 3日 ロイター] – 昨年、シハメ・ダンギルさん(41)は、10代の息子と娘をフランス最大のムスリム系私立学校であるアベロエス高校に入学させた。場所は北部リール。中流家庭が多いパリ郊外にある自宅からは約200キロ離れている。
家計への負担は大きかった。一部が国庫助成対象となる学費だけでなく、子どもたちと、その世話に来てくれる彼らの祖母のために借りたリールの集合住宅の家賃を払うようになったからだ。
それでも、アベロエス校の国内屈指の進学実績はあまりにも魅力的だった。
だからこそ、アベロエス校が昨年12月、フランスが国家教育指針として掲げる世俗主義の原則を順守していないという理由で年間約200万ユーロ(約3億3870万円)の国庫助成を失ったときは大きなショックを受けた。
セルジーの自宅近くにある公園でロイターの取材に応じたダンギルさんは、「あの高校はとてもよくやっている」と述べ、アベロエス校には開放的な精神があると語った。「評価して、よい例として支えるべきだ」