ダイハツ工業などの認証不正を踏まえ、同様の不適切な事案がないかどうか国土交通省が自動車メーカーなどに社内調査を指示したところ、トヨタ自動車やホンダなど、複数のメーカーで不適切な事案が見つかっていたことが5月31日までに分かった。国交省は調査結果を近く公表するとともに、各社の報告内容を精査し、立ち入り検査や行政処分の必要性を検討する。
ダイハツのほか、日野自動車や豊田自動織機で相次いだ認証不正を踏まえ、国交省は1月末から順次、自動車や装置の型式指定を取得している自動車メーカーやインポーター(輸入業者)、装置メーカーなど合わせて85社に対し、型式指定申請に関する社内調査と報告を求めていた。過去10年を遡(さかのぼ)り、型式指定申請に関する各種試験の運用や試験結果などを調査するとともに、客観性を担保するため外部組織などによるチェックも求めていた。
報告期限は6月上旬だが、これまでにトヨタやホンダが不適切な事案を報告したもよう。2社以外にも不適切な事案が見つかったとの情報もある。ただ、事案の中身は悪質性なども含め、明らかになっていない。
国交省としては、調査報告が出そろった段階で結果を公表するとともに、不適切とされる事案について、道路運送車両法上、問題がないかどうかの精査に入る。同法違反の疑いが浮上した場合、当該メーカーに立ち入り検査に入るなどして事案の全容解明などを行う。
ダイハツの認証不正は2023年4月に発覚。社内調査の結果、長期かつ広範囲な不正が確認され、国交省が保安基準の適合性を車種ごとに確認するまで生産が止まる異例の事態に追い込まれた。すべての車種の生産が再開されるのは7月になる見通しだ。