ロシア軍のハリコフ州越境攻撃「行き詰まり、多大な損失」 ウクライナ軍総司令官が報告

砲撃で損壊した ウクライナ東部ハリコフ州ボフチャンスクの建物=11日(アナトリア通信提供・ゲッティ=共同)

ウクライナ軍のシルスキー総司令官は23日、ロシア軍による東部ハリコフ州への越境攻撃で焦点化している国境地域の小都市ボフチャンスクを巡る攻防について「露軍が市街戦で完全に行き詰まり、多大な損失を出している」と交流サイト(SNS)で報告した。ボフチャンスクは当面、陥落しないとの考えを示したものとみられる。

露国防省は、10日に着手したハリコフ州への越境攻撃でこれまでに国境周辺の集落13カ所を制圧したと主張。ただ、ウクライナ軍が予備兵力や欧米諸国から供与された兵器を投入した結果、露越境部隊の勢いを止められたとする観測が軍事専門家から出ている。

シルスキー氏はまた、越境攻撃とは別方面である州都ハリコフ市東方の要衝クピャンスク方面に関し、同市北側の森林地帯で戦闘が続いていると説明。東部ドネツク州バフムト西方の要衝チャソフヤル方面でも激戦が続いているとした。

一方、露国防省は22日と23日、バフムト周辺の集落クレシチェエフカとアンドレエフカをそれぞれ制圧したと主張した。両集落は昨年9月にウクライナが露軍から奪還していた。露軍は両集落を制圧し、チャソフヤルを巡る攻防を有利に運ぶ狙いだとみられる。

ハリコフ市では今月23日、露軍のミサイル攻撃により市民7人が死亡。ロシアの実効支配下にあるウクライナ南部クリミア半島の当局者も同日、ウクライナ軍のミサイル攻撃で市民2人が死亡したと主張した。

元記事を読む