「食べてすぐ寝ると牛になる」ってよくいうけど…本当なの? 内科医に聞いてみた結果

オトナンサー

 ご飯を食べて、おなかいっぱいになった後にゴロンと横になる――。そんな食後の行動が習慣化している人、案外多いのではないでしょうか。一方で、「食べてすぐ寝ると、牛になるよ!」と親や祖父母に言われたことがある人も、きっと多いと思います。

 食後すぐに横になるのは「行儀が悪い」とされることから、戒めの言葉として「牛になる」と言われるようになった……という説もあるそうですが、「牛のように太ってしまう」「消化が悪くなる」など、健康によくない行いと認識している人もいるでしょう。

 では、医学的観点でみたとき、「食べてすぐ寝ると牛になる」のは本当といえるのでしょうか。eatLIFEクリニック(横浜市旭区)院長で内科医・糖尿病専門医の市原由美江さんが解説します。

本来は胃から腸へ向かって移動するはずが…
 まず、食事をした後の体内で起こっていることについてお伝えします。

 食べ物が胃に入ると、胃酸や消化酵素によって食べ物が分解され、どろどろの状態に変化します。その後、胃の動きによって、どろどろの状態の食べ物が十二指腸に運ばれます。ここまでにかかる時間は、3~5時間程度です。十二指腸を含む小腸は消化酵素によって食べ物をアミノ酸やブドウ糖に分解し、小腸の表面から吸収して血液中に運んでいるのです。

 昔からよくいわれる「食べてすぐ寝ると牛になる」という言葉について、「太りやすくなる」「消化が悪くなる」と解釈している人も多いと思います。これについては、医学的に「事実」といえます。

 本来は胃から腸へ向かって消化されながら移動する食べ物が、食事後すぐ横になることによって、胃での停滞時間が長くなったり、食道へ逆流したりして、消化吸収が悪くなる可能性があります。

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