ロシア軍が国境の町の住民拘束、「人間の盾」に利用 ウクライナ当局者

連日の激しい爆撃で煙が立ち上るウクライナの国境の町ボウチャンスク/Libkos/Getty Images
CNN.co.jp

(CNN) ウクライナの当局者は17日、ロシア軍が国境の町ボウチャンスクの民間人数十人を拘束したと明らかにした。地元警察トップは、ロシアが住民を「人間の盾」に利用しているとの非難を展開している。

ロシア政府はウクライナ北部で攻勢を強化している。先週には、ここ2年で最も意表を突く作戦を実施し、北部国境を越えてウクライナ第2の都市ハルキウの奪取を再び試みた。

攻勢の矢面に立たされているのが、ハルキウ州北部に位置するボウチャンスクだ。ロシア軍が周囲の村を掌握したと主張する中、住民は避難を強いられている。

ハルキウ州警察の捜査部門トップ、セルヒー・ボルビノフ氏は17日、公共放送ススピーリネに対し、ロシア兵が「指揮本部」付近の地下に民間人約40人を拘束しているとの見解を示した。

尋問が行われており、「尋問者たちはロシア連邦保安局(FSB)の職員を自称している」と説明。拘束者は「人間の盾」に利用されていると付け加えた。

拘束者の大半は「最後まで避難を望まなかった」高齢者で、ウクライナ支配地域への出発をようやく決意した際に拘束されたという。

ボルビノフ氏はまた、ボウチャンスク在住の高齢者1人がロシア兵の命令に従うことを拒否し、徒歩で逃げようとしたところで殺害されたとも明らかにした。

ウクライナのクリメンコ内相はこの前日、ロシア人がボウチャンスク北部の民間人を拘束していると説明していた。

CNNはボルビノフ氏の主張を独自に検証できておらず、ロシア国防省にコメントを求めている。ロシアは兵士が民間人を人間の盾に利用したり、避難者を標的にしたりしているとの情報について言及していない。

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