日本代表MF久保建英(22=Rソシエダード)のパリ五輪代表入りが見送られることが16日、分かった。複数の関係者によると、日本サッカー協会(JFA)が今季の所属クラブやA代表のスケジュールによる疲労を考慮したもよう。今後は森保ジャパンの活動に専念し、9月からの26年W杯アジア最終予選に挑むことになる。
五輪14大会ぶりのメダル獲得を目指す大岩ジャパンが急展開を迎えた。今月末に五輪の予備登録選手50人の締め切りが迫る中、JFAは久保のパリ五輪代表招集を見送る方針を固めた。
久保はパリ五輪世代で、かねて大岩監督は「この年代を引っ張っていく存在。建英自身としては“行きたい”と言っているので、あとはクラブが行かせてくれるか。招集できることになれば我々もうれしい」と含みを持たせていた。Rソシエダード側も派遣要請が届けば前向きに交渉する意思を持っており、交渉が順調に進めば、来月に予定されているU―23代表の米国遠征に招集する可能性もあった。
だが、今季はクラブで公式戦39試合に出場。欧州CLで決勝トーナメントに進出し、スペイン国王杯も4強まで勝ち上がった。強度の高い試合を過密日程でこなし、さらに日本代表として1月のアジア杯にも参戦。7月の五輪出場となれば、十分なオフが取れないまま、新シーズンと9月から始まるW杯アジア最終予選に臨むことになる。JFA側が疲労による負傷リスクを回避した格好だ。
過去には08年北京五輪に飛び級で出場し、A代表の主力に定着したMF香川真司(C大阪)が同様の理由で12年ロンドン五輪出場を見送っている。久保は東京五輪を経験していることもあり、今後はA代表とクラブでの活動に専念。大岩監督は久保と日本サッカーの未来のために、苦渋の決断をしたことになる。
≪7・17総仕上げの場 U23日本代表VS仏≫JFAは16日、パリ五輪に出場するU―23日本代表が五輪直前の7月17日(日本時間同18日)にフランス・トゥーロンで同国U―23代表と対戦すると発表した。開催国との一戦は、同24日の五輪1次リーグ初戦パラグアイ戦を前にした総仕上げの場となる。大岩剛監督は協会を通じ「本大会を勝ち上がるための試金石として非常に重要な機会になると考えています」とコメントした。