【ニューヨーク=小林泰裕】米IT大手グーグルは14日、動画生成AI(人工知能)「Veo(ベオ)」を発表した。1分超の長さの動画を高解像度で生成できる。14日から一部の映画関係者らに提供を開始する。
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ベオでは入力した文章に基づいて動画を生成する。例えば、「多くの斑点があるクラゲが水中を泳いでいる。彼らの体は透明で、深海で光る」などと入力すると、実際に撮影されたかのような高画質の画像を生成する。将来的には、傘下の動画投稿サイト「ユーチューブ」のショート動画などにベオの機能を搭載するとしている。
偽動画が生成されて選挙などに悪影響をもたらすのを防ぐため、ベオで生成されたすべての動画にはAIで生成されたことを示すラベルを組み込むとしている。ベオは、ユーチューブに投稿された動画などを学習して動画を生成しているとみられる。
グーグルが1月に発表した動画生成AI「ルミエール」では、生成できる動画の長さは5秒だったが、大幅に向上した。オープンAIも2月、最長1分の長さの動画を高解像度で生成できるAI「ソラ」を発表し、一部クリエイターを対象に提供を開始した。年内に一般公開される見通しだ。動画生成AIを巡る競争は今後一層激化するとみられる。