◆米大リーグ パドレス4―0ドジャース(12日・米カリフォルニア州サンディエゴ=ペトコパーク)
パドレスのダルビッシュ有投手(37)が12日(日本時間13日)、今季3勝目を挙げ、日米通算200勝の偉業に王手をかけた。本拠地ドジャース戦に先発し、今季最長タイの7回2安打無失点。同最多101球の熱投で、首の張りによる負傷者リスト(IL)から復帰後3連勝となった。
この日は母の日。ピンクのグラブで右腕はマウンドに上がった。試合後のクラブハウス近くには聖子夫人ら家族の姿が。聖子夫人の手には花束。「自分の母親はメッセージとお花を送ったのと、妻には今日の朝プレゼントと、さっきちょっとお花を(プレゼントした)。自分も夫になって、妻のこと、母、 こう近くで見てるので、どれだけ犠牲にして子供たちを育てていくかっていうのをすごく目の当たりにしますし、この年になってどんどんその母親が自分にしてきてくれたことっていうのを実感できるので、 そういうところでもやっぱりこう感謝の思いを持って」と母の日の最高のプレゼントとなった。日米通算200勝に王手をかけたことには「あんまり考えすぎると、やっぱり勝てなかったりすると苦しくなると思うので、 それはもうちょっと、なるべく忘れて、今日のことしっかり反省して、次またもっと良くなれるように頑張りたいと思います」と気にしていないそぶりだった。
古巣の強力打線に対し、初回は3者凡退の立ち上がり。その裏に味方から2者連続ソロで2点の援護をもらった。
2回から4回も最速96・4マイル(約155キロ)のツーシームにスイーパーなど多彩な変化球を織り交ぜ、ドジャースを翻弄した。5回2死まで完全投球。2死からパヘスに四球を与え、この日初の走者を出すと、続くE・ヘルナンデスには初安打となる右前打を許したが、2死一、二塁で8番・ロハスを中飛に仕留めた。
6回は1死からベッツに左中間への二塁打を浴びたが、最後は2死二塁から4番・スミスを94・9マイル(約153キロ)直球で空振り三振。大きな雄たけびをあげた。7回は1死からマンシー、パヘスを連続三振。2イニング連続で感情をあらわにし、満員の観客から「YUコール」を送られた。
この日、ドジャース・大谷翔平投手(29)は腰の張りのため今季2度目の欠場となり、ダルビッシュと3度目の対戦が実現することはなかった。この日の試合前に取材に応じた大谷は先輩と対戦できず「(同地区で)今後もあるとはいえ、少ないチャンスではあると思うので、楽しみにはもちろんしてました」とコメント。「実際に打席には今日入れないですけど、外から見ていても勉強になることがたくさんあるんじゃないかなとは思います」と話していた通り、試合中はベンチから戦況を見つめていた。