保険適用が必要か?27%認知症を遅らせる薬 社会保険料がまた上がる?

アルツハイマー病新薬「レカネマブ(商品名レケンビ)」(エーザイ提供)
アルツハイマー病新薬「レカネマブ(商品名レケンビ)」(エーザイ提供)
産経新聞:産経ニュース

レカネマブ、想定上回り投与拡大 医療機関250カ所が採用、来年3月までに累計7千人

政府が8日、認知症の人が2060年に全国で645万人に上るとの推計を公表した。認知症の重症化予防に向け期待されているのが、昨年9月に製造販売承認され、12月に保険適用が開始されたアルツハイマー病新薬「レカネマブ(商品名レケンビ)」だ。医療現場での投与はメーカー側の想定を上回るペースで進んでおり、社会的な関心の高さがうかがえる。

レカネマブはアルツハイマー病の原因物質に直接働きかけ、進行を抑制する初めての治療薬で、製薬大手エーザイと米バイオジェンが共同開発。軽度認知症と、その前段階の軽度認知障害(MCI)の人が対象で、それ以外の認知症や症状が進んだ人は対象でない。臨床試験(治験)では進行を約27%遅らせる効果が確認されている。

エーザイによると、国内では今年2月上旬までに約100人へ投与開始し、投与患者数は来年3月末までに累計7千人と予測。将来的に最大年間約3万2千人と見込む。投与を始めた大学病院や基幹病院などは計約250カ所(今年3月末見込み)。約3500人の医師が副作用についての受講を完了した。

同社は「想定を上回るスピードで投与が進展している」と話す。

薬価は患者1人あたり年間約298万円。患者負担には上限があり、70歳以上で標準的な収入なら年間14万4千円となる。(牛島要平)

引用元記事:産経新聞